映画「うまれる」の豪田トモ監督にインタビュー!

 妊娠、出産、育児をテーマに、40万人を動員、涙させた大ヒット・ドキュメンタリー映画「うまれる」。今回は、シリーズ2作目となる「うまれる ずっと、いっしょ。」のプロモーションで来名された豪田トモ監督を直撃。命、家族、絆を見つめ続ける豪田監督の映画づくりのきっかけやこだわり、また名古屋ベビータイムズの読者世代と同じく、4歳女児を育てる父親としての育児への思いなどをお話していただきました!


第一作『うまれる』が誕生した きっかけを教えて下さい。

 子供の胎内記憶について提唱されている、産婦人科医の池川明先生の講演をきいたのがきっかけです。実はもともと僕は長い間、親に愛されているという実感を持てず、あまりよい親子関係を築けずにいました。そんなこともあってか、それまで結婚や出産、育児について、正直全く興味がありませんでした。しかしそんな中、知人からボランティアで頼まれた講演会の撮影で聞いた池川先生の胎内記憶の話になぜかグッと引き込まれ、感動したんです。“自分も親を選んでうまれてきたのだとしたら、今の微妙な親子関係は自分にも責任があるのかもしれない”―そう思った瞬間、目の前が開けた感じがしました。そして、“命”という原点に向き合うことで、両親との関係を築き直せるかもしれない、と映画製作をスタートさせました。



実際、ご両親との 関係は築き直せましたか?

 はい。映画の製作に際し、何度か出産に立ち会ったのですが、どの親御さんも新しい命を感謝と感動と祝福で迎えていました。それは自分の時も同じだったはずで、そう考えたら、親に愛されていないと感じていたことが間違いだと気付き、自然に親への感謝の気持ちが沸いてきました。なので、両親に素直に「産んでくれてありがとう」と言葉で伝えることができましたし、今では定期的に会って食事をしたりしています。



映画作りで こだわっていることは?

 僕が作品づくりでこだわっていることは、「伝える」のではなく「伝わる」映画であること。僕の親 は愛情を伝えていたつもりでも、残念ながらあまり僕には伝わっていなかった。「伝える」と「伝わる」は一文字しか違わないのに、そこが間違っているだけで思わぬ悲劇を生んでしまうこともある。なので、僕の作品は日本映画では珍しく、8割程度完成したところで一般のお客さんに観てもらう「完成前テスト試写」というものを実施しています。そこでの意見や感想を基に、伝えたいことがきちんと伝わっていないのであれば、それはなぜなのかを検証し、こちらの意図に反して伝わっていないと判断したものは最終的にカットするなどして、徹底的に“伝わる”作品を目指しています。



監督ご自身、子育てにおいて 大切にされていることは?

 前作「うまれる」の製作中に新しい命を授かり、公開から10日後に娘が生まれて僕は父親になりました。でも、家族像の明確なモデルのない僕にとって、父親として、夫として、家族とどう付き合っていけばいいのかわかりませんでした。どうしたら、我が子に幸せな人生を送ってもらえるのか、そのために自分ができることは何か。だけど、いくらオムツ交換しても子育て本を何冊読んでも、その答えはでませんでした。
 で、ある時気付いたんです。どう寝かしつけるとか、どう泣きやませるとかいう「子育てのスキル」を磨くのはただの育児トラブルの対処療法に過ぎないと。それより、子育てに対する哲学みたいなものを、親としてしっかり持たないと子供を幸せにはできないのではないか。子育てとはそもそも「子供が生きる手助け」をすることだと思うんです。「生きる」ということは、シンプルに表現してしまえば「生まれてから亡くなるまでの旅路」。そうであるなら、親が「生まれること」「亡くなること」をよく分かっていないと、子供に「生きる」という事を伝えていけない。つまり、明確な“死生観”を持つことが、子供を見守っていく上で、とても大切なことではないかと思っています。



監督が考える“死生観”とは?

 僕の考える死生観とは“感じること”だと思うんです。もちろん死生観というからには、ひとつの論理でなくてはならないんですが、その論理を生み出すためには心で感じる経験が必要だと思うんですよね。それは、生まれること、生きること、亡くなること、に接する機会がないとなかなか育まれていかない。例えば、命がうまれる瞬間や生と死のはざまに立ち会うこと、また、病気の方や障害を持った方と接することとか…そういう経験がとにかく必要なんですが、1970年以降は、出産と旅立ちというのがほとんど病院で行われるようになり、そういう場面に接する経験がほとんどできなくなっているのが現状です。そこで、映画の出番といいますか、映画がお役に立てる部分だと思うのですが、おそらく、「うまれる ずっと、いっしょ。」を観てもらえれば、生まれる、生きる、亡くなる、そして遺される、というところが、疑似体験として体感できると思います。

 あともう一つ大事なことがあって、人生が有限であるってことを普段忘れがちじゃないですか。でも人生80年を日数に換算するとおよそ3万日で、そう考えると不思議と80年ってそんなに長い時間じゃないと感じられるかもしれない。そこから自分が生きてきた日数を引いた残りの日数を考えると、本当に人生が限られた時間だということが実感できるんです。そういう風に考え方をシフトすると、毎日毎日がいかに大切か、大変な事もたくさんあるけれど子どもと過ごせる時間がいかに尊いかということが以前よりも感じられてくるような気がします。



その考え方は、子育て世代には 特に必要ですね。

 そうなんです。残りの人生○○日と考えたら、子供が水をこぼしたとか、食べ物を落としたとかで怒ってる場合じゃないんですよ(笑)。もっと大きな視点でとらえると、それも子供の成長の証なわけだし、人生3万日って思えば子供との毎日がもっともっと大事なものになうような気がします。それでも、時にはイライラして子供にあたってしまう時だってあるでしょう。完璧な親なんていませんから。でも、子供と向き合うことによってより良い親・人間になろうとする、その作業が大切なんじゃないかな、と思っています。
 子育てによって親が成長する、と言いますが、僕はそもそも人間が成長するには自分とは違った価値観の人間と関わることが必要だと考えているんですね。一番の例で言えば、配偶者同士、つまり男と女。また大人と子供、また年配の方や障害を持った方、男と女の中間にいる方、など自分とは違う様々な価値観を持った人との交流を持つことで人は成長できるはずなので、ぜひいろんなコミュニティに参加してほしいと思います。人間として成長できれば、必ず親としても成長できますから。



読者のみなさんへ、映画と 子育てについてのメッセージを。

 今回の作品「うまれる ずっと、いっしょ。」は、それぞれの人生の課題と向き合う3家族の話なんですが、そもそも子育てって20年近くにわたって子供と向き合い続ける作業だと思うんですね。でも、時には人生からも子供からも目をそむけたくなる、というか面倒くさくなる時もあると思います。だけど、「向き合う力」というのは筋力と同じで鍛えないとついていかない。ひとつひとつに可能な限り、逃げずに向き合っていかなければ、子供に親の愛情は伝わりにくいし、もしかしたら人生もうまく回っていかないかもしれません。そんな時こそこの映画を観ていただくと、向き合うってことがいかに人を成長させるか、ということや、向き合う姿がいかに美しいか、ということを感じてもらえると思うんです。なので、子供と向き合い続けなくてはならないパパやママには、この映画を観ることで子供と向き合うパワーを得てもらえるとうれしく思います。そして、何より「みなさん、子育ておつかれさま!」ですね(笑)。


豪田トモ/映像クリエイター・映画監督

6年間の会社勤めを経て、長年の夢であった“映画監督になる”という夢を叶えるため、29歳でカナダ・バンクーバーへ留学。在カナダ時に制作した短編映画「Before,After」は日本国内、バンクーバー、トロント等数々の映画祭にて入選。2006年に帰国後、フリーランスの映像クリエイターとして活動をスタート。2007年、映像プロダクション「株式会社インディゴ・フィルムズ」を設立。2008年より初監督作のドキュメンタリー『うまれる』の製作を開始し、2010年11月公開。総視聴者数は40万人を超える。そして、2014年11月より(東海地区では2015年1月)待望の2作目『うまれる ずっと、いっしょ。』が絶賛公開中。妊娠・出産・育児を通じて、様々な角度から命、家族、絆をテーマにしたこの『うまれる』シリーズは2040年まで製作継続予定。詳細は公式サイトへ(http://www.umareru.jp



1月17日(土)より伏見ミリオン座にて公開。 1月18日(日)は、豪田トモ監督の舞台挨拶も実施!

「うまれる ずっと、いっしょ。」は、血のつながりのない幼い息子との関係構築に悩む若い父親、長年連れ添った最愛の妻を亡くした夫、不治の障害を持ちいつ死ぬかわからない赤ちゃんを必死に育てる夫婦、という3組の家族のありのままの姿を追い、4年の歳月をかけて完成させた感動のドキュメンタリー映画。それぞれの解決策を模索する3つの家族の奮闘を通して、家族のつながりとは何かを問いかけている。伏見ミリオン座をはじめ、愛知県内4つの劇場、岐阜、三重それぞれ1つの劇場で2015年1月17日より順次公開予定。
伏見ミリオン座での公開情報は公式サイトへ(http://www.eigaya.com/theater/million/






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