ゆき先生に聞いてみた!
どうしたら歯並びが良くなるの?
Q1. 歯並びが悪くなるのは遺伝のせいですか?
歯並びに遺伝はほとんど関係ありません。昔よりも今の方が、歯科矯正に来られるお子さんは増えているのですが、食生活の変化が大きな原因のひとつです。あまり噛まなくても飲み込めるような食事が増えた結果、顎が十分に発達せず、歯の生えるスペースが足らない子や、歯列に対して舌が大きい子が増えています。そのため、歯並びも悪くなってしまいます。
また、口呼吸も歯並びを悪くします。口呼吸をしていると舌の位置が悪くなるので、その影響で顎が育ちません。口呼吸は歯並びを悪くするだけでなく、冷たい空気や異物が体に入りやすいために体調を崩しやすかったり、口の中が乾燥して雑菌が増えたりなどの影響も出るので、鼻呼吸を意識することが必要です。
Q2. 普段の生活面で気をつけられることはありますか?
親御さんは、ぜひご飯づくりの面からお子さんを応援いただきたいと思います。1日3食食べるご飯やおやつに何をどのように食べるかで、顎の発達はずいぶん変わってきます。基本としたいのは、以下の3つです。
可愛い我が子が食べやすいように、と考えると料理の過程で、どうしても小さくカットしてしまったり、煮込みすぎてしまったりします。そこをぐっと堪えて、子どもに今しっかりと口の運動をさせることが、きれいな永久歯で暮らせることにつながります。また、食事の時にお茶で飲み下すように食べてしまうと、噛む力がつきません。
また、意外かもしれませんが、ものを噛む力は、食べる時の姿勢からも影響を受けています。ダイニングテーブルで、子どもの足がブラブラとしてしまうような椅子に座らせていませんか?足がちゃんと着くと、しっかりとものが噛めるようになります。
Q3. 指吸いやおしゃぶりは、歯並びに影響しますか?
影響します。小さな頃ほど子どもの顎はやわらかく、成長過程にあります。指吸いやおしゃぶりなどで一定方向からの力が強くかかった状態で長時間すごすと、歪みが出てきてしまいます。
Q4. 歯磨きは歯並びに影響しますか?
実は歯磨きは、歯並びや虫歯にあまり影響しません。お子さんが小さいと、「歯磨きを嫌がって困る」という相談をよく受けます。また「食後に1日3回、きちんと磨かなければ」と考える親御さんも多いですが、歯磨きよりも大切なのは食習慣です。
特に虫歯の大敵となるのは、いつまでもお口の中に飴やガムが入っていたり、ゲームをしながら少しずつジュースを飲み続けたりする「ダラダラおやつタイム」。メリハリをつけて短時間で終えるように気をつけましょう。ちなみに歯磨きの影響が大きいのは「歯肉炎」。歯磨きの時は、歯と歯茎の隙間をしっかり磨くように、心がけると良いですね。
Q5. 歯科矯正をするとなったら、何歳ごろが良いですか?
指吸いのところでもお伝えしましたが、小さな子ほど顎がやわらかいです。矯正もしやすいので、低年齢のうちから骨格の成長とともに取り組んでいくのが良いですね。そうすれば、永久歯がきれいに生えますよ。ただ、歯科矯正の適齢期は、矯正の方法によって違ってくるので、通っている歯医者さんに相談してみてください。おしむら歯科の場合は、年中・年長くらいからなら十分ご相談いただけます。
押村 侑希(おしむら ゆき)
医療法人OSHIMURA MEDICAL理事長/おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長。自身が歯科矯正で苦労した経験から、オーストラリアでマウスピースを主体とした小児歯科矯正を学び、自院で導入。同院ではこれまでに1,000件以上の歯科矯正を実施している。