はじめての歯科って、何歳ごろから?
ゆき先生に聞いてみた!

子どもの歯が生え始めると、歯磨きの仕方や歯並びなど、いろんなことが気になり始めますよね。でも歯医者って、虫歯の治療に行くところというイメージも。今回はおしむら歯科の押村侑希先生に、子どもと歯医者のベストな関係性を訊いてみましたよ。
Q1. 子どもの歯、いつから気にする?
歯が1本でも生えてきたら、子どもの口腔ケアはスタートです。でも実は、妊娠中も大切。お母さんの食生活はお腹の子に影響を与えますし、自分の歯磨きが下手なお母さんは子どもの歯磨きも下手になりがち。私も1歳の子がいますが、子どもが生まれてからはなかなか時間が取れないと思うので、妊婦の時から子どもを意識して歯医者に来ていただけると良いですよ。名古屋市の妊婦さんは、産前・産後用に歯科検診のチケットがもらえるはずなので、それを有効に使ってくださいね。
Q2. 歯医者に行くと、何が良いの?
歯医者はもちろん歯の治療が仕事ですが、虫歯にならないための予防策をたくさん知っています。例えばおしむら歯科では、皆さんもよく知っているフッ素塗布を定期的にしますし、歯の磨き方指導や食生活についての相談なども対応しています。最近では、歯の溝から虫歯にならないように、シーラントという素材で溝を埋めることもできますよ。
何より大切なのは「子どもを小さいときから歯医者に慣らしておく」ということです。子どもにとって歯医者が「歯が痛いときに行って、痛いことをされる場所」という認識になっては、行きたがりません。「痛くならないように、定期的に行く場所」として習慣づけておくと、大きくなってきた時にだいぶ楽ですよ。
Q3. 歯並びが悪い子の、矯正はいつから?
親が子どもの矯正を意識するきっかけになるのは、1歳半検診や3歳時検診だと思います。基本的に歯の矯正を進めるのは、永久歯への生え変わりが始まる6歳前後ですが、3歳時検診で「反対咬合」と言われた時はご相談いただければ。反対咬合は3歳からでも治していけるんですよ。
それ以外でも、相談は早いほど良いです。永久歯になるころの矯正に向けて、今ある悪い習慣を取り除けば、良いあごの状態を準備していけますから。例えば、指しゃぶりに気を付けたり、食事内容を考えたり。それを歯科がサポートします。
Q4. 今どきの矯正治療って、昔と違うのかな?
親御さん世代は、歯の矯正というと歯の1本1本に金具をつけたり、不要な歯を抜かないといけなかったり、というイメージではないでしょうか。それはブラケット矯正と呼ばれるもので、今もありますが、最近はマイオブレース矯正の考え方が広がってきています。
歯並びを悪くする原因である「舌の位置」「筋肉の使い方」「呼吸の仕方」などにフォーカスし、そこを改善して習慣づけるとともに、マウスピースを装着してサポートします。この方法の良い点は、日々の意識から変えていくので、矯正後に後戻りしないということです。矯正してからの維持が大切ですからね。
Q5. 永久歯が生えてくる前に、親ができることは?
まさしく「歯に良い習慣作り」です。こればかりは、いつも子どもの近くにいる人しかできませんから、重要な役割です。あまり嚙まなくてよいものばかり食べたり、甘いものを常に口にしていたりでは、あごや歯に悪影響です。おやつひとつ考えるにも、噛み応えのあるもの、砂糖の使用量が少ないもの、を選べると良いですね。
とは言いつつ、私も1歳児の子育てで「言うは易し行うは難し」を実感中です。子どもって、好きなものしか食べたがらないし、大人しくしてほしい場面などではつい親も甘いものを与えたりしてしまいますもんね。理想通り行かないのが子育てではありますが、少しずつ意識して一緒に頑張りましょう! ちなみに我が家は、ふかし芋、ゆで卵、耳付きのパン、野菜スティックなどをよく与えていますよ。
押村 侑希(おしむら ゆき)
医療法人OSHIMURA MEDICAL理事長/おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長。自身が歯科矯正で苦労した経験から、オーストラリアでマウスピースを主体とした小児歯科矯正を学び、自院で導入。同院ではこれまでに1,000件以上の歯科矯正を実施している。