大きくなってからの姿勢に影響
〜再注目！“おんぶ”は理にかなった育児法！
子育て支援のスーパーおばあちゃんが語る、そのワケ〜

　名古屋市千種区にある「親子カフェ もんもの木」内に、おんぶ紐・抱っこ紐のアンテナショップとして「LUCKY BABY STORE NAGOYA」がオープン。おんぶやだっこについて、育児のプロから使い方のアドバイスを受けられます。注目は、メーカーとのコラボにより誕生したおんぶ紐。なんとなく、抱っこと比べてマイナー派（？）になりがちな“おんぶ”の重要性って…？ 商品の考案者でもある “すみえばぁば” に、そのワケを語ってもらいました。

気軽に話したり、聞いたりできる集いの場

地下鉄東山線「今池」駅から徒歩7分の場所にある「親子カフェ もんもの木」は、子どもと一緒にくつろげる遊びの広場＆カフェです。店内には、室内公園のようなキッズスペースはもちろん、おむつ替え、授乳コーナーも完備。保育士資格をもつスタッフが常駐し、親子向けの多彩な講座が開催されていたり、赤ちゃん向け離乳食メニューを提供してくれるほか、育児全般の相談もOK。連日、子育てママ・パパが親子で訪れ、子どもを見守りながらゆったりカフェタイムを楽しんでいます。

「まさにママ・パパにとって至れり尽くせり！」のカフェなのも納得、運営元は「名古屋コダーイセンター」というNPO法人。1967年に設立されて以来、保育園の運営や子育て支援セミナーの開催など、さまざまな形で子育て支援事業を行ってきた育児のエキスパート集団なんです。

このカフェ内にオープンしたのが、おんぶ紐・抱っこ紐のアンテナショップ「LUCKY BABY STORE NAGOYA」です。ここでは、おんぶ紐・抱っこ紐メーカーのラッキー工業株式会社（本社：岐阜県揖斐郡）の商品をラインナップ。手にとって自由に試せるだけでなく、おんぶ紐・抱っこ紐の正しい使い方を体験しながらアドバイスしてもらえます。

COME BACK,おんぶ文化！ 300年以上にわたり伝承された“理にかなった育児法”

「LUCKY BABY STORE NAGOYA」がオープンした背景には、名古屋コダーイセンターの元理事・中島澄枝さん、通称 “すみえばぁば” の熱い想いがありました。中島さんは保育士として活躍後、幼児体育の講師などを務め、子どもの身体の使い方について長年研究してきた、まさにスーパーおばあちゃん。以前から、現代の子育てママとの関わりを通して「子どもの姿勢や歩き方、ママ達の育児習慣に対し、おんぶの価値が忘れかけられている！」と危機感を抱いていたそうです。

「おんぶって、日本で300年以上にわたって伝承されてきた育児法なんですよ。おんぶすることで、お母さんと同じ目線で景色を見ることができ、仕事や家事を視覚体験できます。そのうえ、正しい姿勢でおんぶをすれば、赤ちゃんが物心がつく前に自分の身体を支える筋肉が自然と育ち、大きくなってからの姿勢に影響します。赤ちゃんの心と身体にとってこんなにメリット満点の文化が、失われていくのはもったいないと思っていました」と中島さん。

そんな中島さんの考えに共感したのが、戦前からおんぶ紐・抱っこ紐を製造してきた、ラッキー工業の樋口社長でした。すぐに意気投合し、コラボレーションしたおんぶ紐の開発がはじまったのです。

素材にこだわった一本紐は、コンパクト&安定&快適、そして、腰痛知らず！？

おんぶ紐の開発は、決してラクな道ではありませんでした。目指したのは、着物で使われる兵児（へこ）帯の代用となるおんぶ紐。そのためには、安定感があり結びやすく、身体になじむ弾力性を備えなければなりません。「試作品をつくり、実際におんぶして歩いてを繰り返しました」。木綿、ニット、ちりめんなど、約30種類の生地で試行錯誤を重ねたそう。そうして構想から約3年かけて完成した『すみえばぁばのおんぶ紐』は、安定性と結びやすさ、痛くならない快適性を備えたインドシルクのおんぶ紐。4mの一本紐のため結びにはコツがいりますが、パパ、ママの体格を選ばずに使用できます。

「LUCKY BABY STORE NAGOYA」では、商品の試着だけでなく、「今使っている抱っこ紐だと腰痛がする」「選び方が分からない」といった相談もOK。「おんぶの重要性に、もう一度気づき、健やかな育児につなげられたら」と中島さん。おんぶブーム再来（？）に向けての挑戦は、これからも続きます。

★ DATA

親子カフェ「もんもの木」
名古屋市千種区仲田2丁目12-21　TEL : 052-825-7155
https://monmo.nagoya/monmonoki/

認定NPO法人名古屋コダーイセンター
https://nagoyakodalycenter.nagoya/